Avril Lavigne アヴリル・ラヴィーン 『Head Above Water』(2019年)
『Head Above Water』2019年
カナダ出身のシンガーソングライター、Avril Lavigne(アヴリル・ラヴィーン)の、前作『Avril Lavigne』より約5年振りとなる6thアルバム。
前作『Avril Lavigne』からのアヴリルは....。
2015年に、自身がライム病を患って、5か月にわたり寝たきり生活だったことをピープル誌のインタヴューで語った。
闘病中でありながら、同年にシングル「Fly」をリリース。
2017年には、ONE OK ROCKのアルバム『Ambitions』収録の「Listen」にゲスト参加した。
2018年9月、オフィシャルサイトにファンに向けたオープン・レターが公開された。
そこで彼女は、2014年のワールド・ツアーの時から体調不良に苦しみ、ライム病と診断されて闘病していた事、その中でもがきながら新曲「Head Above Water」を書き上げたことを、長い間復活を待ち続けてくれたファンへ感謝の気持ちとともに綴り、これからも音楽を作り続けることを誓った。
そんな闘病中に書き綴られ、完成したのが本作『Head Above Water』。
”ベッドの中にいてもう死ぬかもしれないと思っていた”と、アルバムの核となるタイトル・トラックが出来た時の状況は。。。
母にベッドの脇で抱きしめられていたアヴリルは、その時に母に、”自分が溺れていくような感じ”と言った。
そうしたら、そこから歌詞が浮かんできて、ヴィジュアルのイメージなど、色々なアイディアも湧き上がってきて、とりあえず携帯電話に録音をして、それから全部書き留めたという。
デビューアルバム『LET GO』で共作した、THE MATRIX(ザ・マトリックス)の 一員だったLauren Christy(ローレン・クリスティ)と今作で15年振りにコラボし、4曲を一緒に書いているので、こちらにも注目して聴いてみたい。(Track 6,7,10,11)
「Head Above Water」
1stシングル。
ラストトラック「Warrior」とともに、アルバム一番最初に出来上がった曲で、2曲とも前夫である、ニッケルバックのフロントマン、チャド・クルーガーのサポートの下レコーディングされた。
自らの死を予感した時の感情や、必死に生きようと藻掻いている時の感情を歌っています。。。
「Birdie」
囚われた小鳥が、自由に高いところへ飛んでいきたい、自由にして!という思いを歌った1曲です。
「I Fell In Love With The Devil」
ピアノをメインにしたサウンドで、不穏な雰囲気のあるミディアムスローのバラード。
「Tell Me It's Over」
2ndシングル。
ブルース調(?)で今まで無かったタイプの1曲。
「Dumb Blond」
3rdシングル。
「私は強い女で、独立心も旺盛で、リーダーでもある。なのに、ある時私が関わっていた男性に”dumb blond(ブロンドのバカ女)”と呼ばれたの。私の強さに脅かされたんだと思うけど、このことについて曲をかかなくちゃと思ったの」By Avril
『The Best Damn Thing』の時を思わせる、ポジティヴでアップテンポの楽曲です!
「It Was In Me」
ピアノが印象的なバラード。
アヴリルの内面を表しているかのような歌詞で、感慨深いものがあります…。
「Souvenir」
哀愁を湛えたポップ・ナンバー。
お気に入りの1曲です。
「Crush」
イントロのバイオリンの音色が印象的なミディアム・ナンバー。
「Goddes」
アコースティック・ギターをメインサウンドにした、シンプルな1曲。
力強いアヴリルの歌声が引き立っています。
「Bigger Wow」
コーラス部分では、思わず一緒に手拍子したくなる、楽しい雰囲気の1曲です。
「Love Me Insane」
イェイイェーイ×3が頭から離れなくなる(笑)1曲(^^;)
「Warrior」
オープニングトラックとともにアルバムの1番最初に出来上がった曲。
病気と闘い見事復活したアヴリルの、エネルギーに溢れた、勇気とパワーを貰えるアルバムのラストに相応しい1曲です!!
全体的にミディアム・テンポの落ち着いた楽曲が目立ちます。
アヴリル初期の頃のようなノリのアップテンポでポップなロックを期待していた方は、物足りなさはあるかも知れません。
が、デビューから酸いも甘いも知り、2度の結婚&離婚や、病を乗り越え生還したアヴリルです、若い頃みたいに、”ヘイ!ヘイ!ユー!ユー!”なんて言ってられません!(^^;)
いつまでも、ガーリーな雰囲気でキャピキャピしたポップ・ロックばかり歌うアヴリルをどうか希望しないでください…。
いつまでも美しく可愛らしいアヴリルですが、年相応(?)の深みと落ち着きのある素晴らしいアルバムに仕上がっています。
アヴリルの今後の音楽がまたどう変化していくのか、楽しみでもあります。
未聴の方は、是非チェックしてみて下さいね!!