The Corrs ザ・コアーズ 『Forgiven, Not Forgotten』(1995年)
『Forgiven Not Forgotten』(1995年)
アイルランドの4人兄妹によるバンド、The Corrs(ザ・コアーズ)の1stアルバム。
邦題は『遥かなる想い』
<メンバー> ※Wiki参考
- ジム・コアー (Jim Corr) (長男) -ギター、キーボード、ピアノ
- シャロン・コアー (Sharon Corr) (長女) - ヴァイオリン、バックヴォーカル
- キャロライン・コアー (Caroline Corr) (次女) - ドラムス/パーカッション(バウローン、タンバリン)、ピアノ、バックヴォーカル
- アンドレア・コアー (Andrea Corr) (三女) - リード・ヴォーカル、ティン・ホイッスル
アイルランドの首都ダブリンから50マイルほど北上したところにある街、ダンダルクで、ザ・コアーズの4人兄妹は生まれ育った。
音楽を始めるようになったのは、両親がミュージシャンだったことに起因するが、ザ・コアーズとしての活動は1990年から始まっていた。
中心人物は長男で唯一の男性、ジム・コアー。
ジムはキーボードとギターの他、アルバムのプロデュースも手懸け、ザ・コアーズの大きな要となっている。
彼らのルーツは故郷アイルランドの伝統的なサウンド、ケルト・ミュージック。
「僕たちのサウンドを説明しろって言われても、アイルランドの影響を受けたモダン・ミュージックであるとしか答えられないんだよ。だってケルト民族の血は、僕たちのやること全てに流れているんだから。僕たちは、典型的なアイルランドのポップ・ロック・バンドなんだ」by ジム
「モダンなリズムとテクノロジーが、ヴァイオリン、ティン・ホイッスル、ドラム、それから勿論、声というアコースティックな楽器と融合している、っていうのかしら。このすべての要素がミックスされて私たちのサウンドになっているの。」by キャロライン
「私たちのサウンドは、アイルランド人全体についての何かを反映していると思うの。アイルランド人は、これまでの様々な問題にもかかわらず、いつも大きな希望を持っているのよ。笑い方や楽しみ方をずっと知っていたの。伝統的なアイリッシュ・ミュージックやダンスがアップ・テンポなのは、その辺が原因ね。でもそれと同時に、幻想的なサウンドでもあるわけ。それは、アイルランドの環境を反映しているからじゃないかって私は思っているんだけれど、つまり、朝起きると、何もかもに霧がかかっているような感じっていうのかしら。私たちの音楽はその環境に影響されているし、私たちは感じるままに演奏するだけね」by シャロン
「それのパラドックスはね、希望に満ちた哀しみなの」by アンドレア
1990年に活動をスタートさせたザ・コアーズは、一人の人物と出会う。
彼の名前はジョン・ヒューズ。
コアーズがジョンと出会った時、ジョンはアラン・パーカーの映画「The Commitments」のためのミュージシャンを集めている所だった。
その時の出会いがやがてもっと深い友情へと変わり、ザ・コアーズの面々はダブリンで開かれた「The Commitments」のスペシャル・ライヴ・コンサートに出演する。
そして、そのジョン・ヒューズは、ザ・コアーズのマネージャーとしてあらゆる方面に全力を尽くすようになる。
その後もザ・コアーズはライヴ活動を積極的に行った。
そして、ダブリンの小さなクラブで演奏している時、駐アイルランドのアメリカ大使、ジーン・ケネディ・スミスが彼らのライヴを見て、いっぺんで気に入ってしまう。
ジーンは1994年の夏、ボストンで行われたサッカー・ワールドカップの記念式典にザ・コアーズをゲストに招き、そこで彼らに演奏する機会を提供。
そのステージを観たアトランティック・レコードの重役、ジェイソン・フロムも彼らのサウンドに魅了され、ザ・コアーズに、「君たちは是非デヴィッド・フォスターに会うべきだよ」とアドバイスした。
デヴィッド・フォスターは、セリーヌ・ディオン、マドンナ、ホイットニー・ヒューストンなど、超大物を手懸けてきた、スーパーヒットメイカーのプロデューサーである。
そしてジェイソン・フロムの取り計らいでフォスターは、ザ・コアーズと会う機会を得た。
そして、ついにフォスタ―の目の前で生演奏を披露。
その時フォスターは、「10点満点で10点をあげるよ。いや、10点以上だな」
そうして彼らはアトランティックと正式に契約。
フォスター自身のレーベル=143、そして、その素材を見つけた先程のジェイソン・フロムのレーベル=LAVA、この2つの傘下レーベル共同の原盤として、ザ・コアーズの世界に向けての旅立ちがスタートした。
※『遥かなる想い』国内盤ライナーノーツを参考に記載しています。
それでは、世界のデヴィッド・フォスターがプロデュースを手懸けたザ・コアーズの1stアルバム、聴いて行きましょう(*^^*)
「Erin Shore」(Traditional Intoro)
インストゥルメンタル。
うーーーーん!アイルランドの空気をヒシヒシと感じます!!!
目を閉じれば、そこはアイルランドの美しい原風景(*^^*)
「Forgiven Not Forgotten」
2ndシングル。
美しい音色です。アンドレアの歌声も美しい。
アコースティックで伝統的なケルティック・サウンドに、エレキ・ギターの音色を入れてしまうところが、大胆でいてカッコイイ!!
「Heaven Knows」
アップテンポでメランコリックな雰囲気のナンバー。
「Along With The Girls」Instrumental
こちらもアイリッシュ・ミュージックのインストゥルメンタル。
「Someday」
ロック・テイストも感じられる1曲。
「Runaway」
1stシングル。
ケルティックなミディアム・ナンバー。
「The Right Time」
3rdシングル。
伝統的なケルト・ミュージックをポップ・ミュージックに違和感なく融合させてしまうのはやっぱりコアーズのみ成せる技ですね!
「The Minstrel Boy」Instrumental
落ち着いた雰囲気のアイリッシュ・ミュージックのインストゥルメンタル。
「Toss The Feathers」Instrumental
とてもスピード感溢れる、アップテンポで思わず踊りだしたくなってしまうような(?)曲調のアイリッシュ・サウンドのインストゥルメンタル。
「Love To Love You」
4thシングル。
序盤、アイリッシュ・テイストは薄目かなと思いきや、やっぱりアイリッシュ・サウンドが素敵な1曲でした(*^^*)
「Secret Life」
こちらもエレキ・ギターのサウンドと、メロディがロック・テイスト。
「Carraroe Jig」Instrumental
アイリッシュ・ダンスと思われるサウンドが印象的なインストゥルメンタル。
「Closer」
ピアノの音色が印象的なスローナンバー。
「Leave Me Alone」
ギターのサウンドがクールなロック調。
アップテンポでキャッチーな1曲。
「Erin Shore」Instrumental
ラスト・トラック。
アルバムを締め括るのに相応しい、エモーショナルでドラマティックなインストゥルメンタル。
「Somebody Else's Boyfreid」
ボーナス・トラック
ザ・コアーズの1stアルバム『遥かなる想い』は如何でしたか!?
アイルランドの伝統的な音楽・ケルト音楽を主体に、現代的なテイストも加え、いい具合にポップで心地良いサウンドのアルバムになっています!
大物プロデューサー、デヴィッド・フォスターっぽさは、ドラマティックな曲展開では少し感じられますが、殆どがザ・コアーズの個性が光るサウンドプロダクションになっているのではと思います。
インストゥルメンタルは全部で6曲ありますが、全てとても心地良く、延々と聴いていられる程の、とても良いメロディ。
そしてすべての曲にアイルランドのの美しい風景がイメージできる作品です。
是非、アイルランドの気持ち良い風を感じてみて下さい!(*^^*)