Delta Goodrem デルタ・グッドレム 『Mistaken Identity』（2004年）
『Mistaken Identity』（2004年）
オーストラリアのシンガーソングライター、Delta Goodrem（デルタ・グッドレム）の、前作『Innocent Eyes』から約2年振りとなる2ndアルバム。
日本国内盤未発売。
1stアルバム、シングル曲と、次々に全豪No.1を記録し、絶好のスタートを切ったデルタに、突然悲劇が――――。
2003年7月8日、デルタは18歳でホジキンリンパ腫（悪性リンパ腫・ガンの一種）と診断されました。
オーストラリアの雑誌の独占インタビューで、デルタはは2002年以来、頭からつま先までの発疹、疲労、体重減少、寝汗、首のしこりに苦しんでいることを明らかにしていました。
地元主要新聞の一面を飾ったこのニュースは、人々に衝撃を与え、活動を休んで治療を始めた彼女の元には国内外から温かいサポートが続々寄せられました。
「あの時は、家族やファンの応援でポジティヴなスタンスを維持できたことが大きな支えになったわ。例えば、放射線治療で髪が抜けちゃった時も”ショートヘアは初めてだから楽しいかも”と考えたり、何でもポジティヴな面に目を向けることで、ネガティヴな面を乗り越えたの」by Delta
その後、秋に開催されたARIA賞（オーストラリアのグラミー賞にあたる音楽賞授賞式）には医師の許可を取って出席。
8部門10ノミネートされていたデルタは、最優秀女性アーティスト賞や新人賞など、史上最多の7部門9つの賞に輝きました。
パフォーマンスは出来ませんでしたが、元Savage Garden（サヴェージ・ガーデン）のダレン・ヘイズが「Lost Without You」を歌って彼女を讃え、TV中継の視聴率は42.8％に上がり、記録を更新しました。
その後病状が少し落ち着くと新作アルバムの制作を開始。
セラピー代わりに曲を綴り、レコーディングに取り組んだ。
2004年10月、シングル「Out of the Blue」で、チャート1位にカムバック。
翌月11月、2ndアルバム『Mistaken Identity』を発表し（全豪1位）体調をみながら活動を再開。
2005年春には初主演映画『Hating Alison Ashley』が公開。
2005年の7月には初めてのツアー”Visualise Tour”を敢行。
デルタの体力が持たないのではと不安視されていましたが、その心配をよそに、ツアーは成功を収めました。
9月にはオーストラリアン・フットボール・リーグの決勝戦（スワンが32年振りに優勝）で国家を歌い、長年の夢を叶えました。
プライベートでは、2004年から、デルタはオーストラリアのテニスプレーヤー、マーク・フィリプーシスと9か月交際しましたが破局。
同年、今作の「Almost Here」のデュエットがきっかけで元ウエストライフのブライアン・マックファーデンと交際を始めました。
2007年12月3日、ブライアンと婚約を発表。
しかしその後（ブライアンの浮気が原因で？）破局、2010年3月に婚約を解消。
2011年5月にジョナス・ブラザーズのニック・ジョナスと交際を始めましたが、2012年2月に破局しています…。
（アーティスト情報はWikiや『Innocent Eyes』国内盤ライナーノーツ等を参考に記載しております）
ブライアン・マックファーデンと長年付き合ってきて、婚約までしたのに破局…。
ブライアンの浮気が原因と言われていますが、それが本当だとしたら、、、、。
デルタが気の毒過ぎる。。。
ブライアンはデルタと付き合う前まで、アトミック・キトゥンの元メンバー、ケリー・カトーナと結婚していて（子供も2人居る！）離婚直後にデルタと付き合っているのでちょっと？？？と思っていましたが...。
その後デルタと破局した後、別の女性と結婚したけど離婚（2度目）。
2019年12月にはこれまた別の女性との結婚を発表（3度目）…。
今までで3度結婚しているよ。デルタとは婚約だけだったけど、デルタを入れれば4回目よ、ブライアン、アナタ、大丈夫？？？と思わずにはいられない。。。
いや、ブライアンの話はいいとして、辛い事を経験してきたデルタには、音楽以外の所でも幸せになってもらいたい(ノД`)・゜・。と勝手な一ファンの願いです。。。(^^;)
今作では、闘病中に書かれた作品という事で、明るくポジティヴな雰囲気の前作とは反対に、冷たく、物々しく不穏な雰囲気に包まれたアルバムになっています。
といっても、暗くネガティヴな曲ばかりではなく、「Out Of The Blue」や「Be Strong」「You Are My Rock」などは前向きな内容の歌詞になっており、希望の光も差し込んでおります！
1stシングル。
”私の人生の新たな門出、新たな章が始まる”という意味の歌い出しで始まる、病気を克服し、新たな人生をまた歩もうとする、デルタの前向きなメッセージが込められた1曲。
Delta Goodrem - Out Of The Blue (Official Video)
「The Analyst」
ピアノのメロディが不穏な旋律を奏でている1曲。
アップテンポながら、どこかダークな雰囲気を湛えた1曲。
「Mistaken Identity」
2ndシングル。
ミュージカル風に歌い踊るデルタにも是非注目して頂きたいMVになっています。
アップテンポながら、陰鬱さも併せ持った雰囲気のカッコイイ1曲です！
Delta Goodrem - Mistaken Identity (Official Video)
「Sanctuary」
美しいメロディが印象的なミディアム・ナンバー。
「A Little Too Late」
4thシングル。
アコギのイントロが印象的な、ギター・ポップロック調の1曲。
「Be Strong」
5thシングル。
歌詞に、とても勇気付けられるバラード曲です…。
イントロのピアノのサウンドがお気に入り。
ドラマティックでエモーショナルなバラードです！
「Almost Here」（Duet with Brian McFadden）
3rdシングル。
元ウエストライフのブライアン・マックファーデンとのデュエット曲。
終盤では、2人のヴォーカルがかけ合うように展開され、思わず聴き惚れてしまう、素敵なバラード曲。
「Miscommunication」
こちらもアップテンポめの曲ですが、サウンドがダーク。
「Electric Storm」
こちらもアップテンポですが、サウンド、アレンジがダーク。
メロディもどこかメランコリックな雰囲気の1曲です。
「Extraordinary Day」
デルタが、ホジキンリンパ腫と診断された日=7月8日の心境を綴った1曲。
こちらもイントロから陰鬱な雰囲気に包まれています…。
デルタの人生を大きく変えてしまった日…。
「Fragile」
ラストトラック。
ピアノのみのシンプルなアレンジ。
デルタのエモーショナルな歌声が切ない1曲です。
「Disorientated」
Extra Trackとして収録。
アップテンポ＆メランコリックな雰囲気の1曲。
中盤からのセリフのようにつぶやく所が個人的にツボで好きです！
「You Are My Rock」
Extra Trackとして収録。
ピアノのみの演奏で歌われるバラード曲。
前向きで優しい歌声が印象的な1曲です。
今作『Mistaken Identity』は、重々しいサウンドで、ダークな雰囲気が漂う作品となっています。
しかし、アップテンポな曲も多く、メロディラインがとても聴きやすいので、”暗いアルバム”といったらまた違う気がします。
どちらかというと、暗いより、冷たくクールな雰囲気。
美しいブルー系のジャケ写と、ブックレット中のデルタの美しい事美しい事....。
美しすぎるくらいに美しいので、是非その写真もチェックしてみて下さい！
1stアルバムの明るい無垢なデルタも、2ndアルバムのダークでクールなデルタも、どちらもとても素敵な曲ばかりですので、未聴の方は是非聴いてみて下さい！
『Mistaken Identity』
