Natalie Imbruglia ナタリー・インブルーリア 『White Lillies Island』(2001年)
『White Lillies Island』(2001年)
オーストラリア出身、イギリス在住の歌手、Natalie Imbruglia (ナタリー・インブルーリア)の、前作『Left of the Middle』より約3年半振りの2ndアルバム。
アルバムタイトルの”White Lillies Island”とは、ナタリー・インブルーリアがその当時住んでいたウィンザーに実在する島の名前とのこと。
ロンドン西側の郊外、ウィンザーのテムズ川にあるという。
前作『Left of the Middle』リリース後、2ndアルバム制作までのナタリーは、スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンと一緒に映画『スティグマータ 聖痕』のサントラで「Identify」を共作。
その他、映画『Go』のサントラに「Trouble By The Way We Come Together」を提供したり、大御所トム・ジョーンズのアルバム『Reload』で「Never Tear Us Apart」をデュエットしたり...。
そして、ローリング・ストーンズの名曲をカヴァーしたチャリティ・シングル「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」に、ジャミロクワイやイギー・ポップ、クランベリーズなどと共に参加した。
その当時のゴシップ的な話題としては、ゴールディーとの間が噂されたり、同じオーストラリアの人気バンド、シルヴァー・チェアのダニエル・ジョーンズとの交際が発覚。
(ダニエルとは2003年に結婚するも2008年に離婚)
さらにスウェードのブレッド・アンダーソン、ロビー・ウィリアムズやレニー・クラヴィッツ、そして英国王室のウィリアム王子との関係まで噂として流れ、恋多き女の伝説をも作ってしまった....!
さて、3年半ぶりに発表となった本作『White Lillies Island』ですが、プロデューサーにはティアーズ・フォー・フィアーズなどで知られるイアン・スタンリーや、アルバム中6曲を、ドナ・ルイス等との仕事で有名なゲイリー・クラークが手懸け、ミックスについてもボン・ジョヴィなどを担当しているデヴィッド・バスコム、インスパイラル・カーペッツを手懸けた事で知られるパスカル・ガブリエル、さらにオルタナティヴ系を得意とするアンディ・ウォーレスなど、多彩な面々が関わって生み出された音楽スタイルは、前作とは異なり、U2やレディオヘッド、トラヴィスを連想させるようなバンド的アプローチが主体。
「Satelitte」は、前作でも関わっていたフィル・ソーナリーと再び共作した楽曲となっています。
今作で最多6曲をプロデュースしたゲイリー・クラークについて、ナタリーは
「マネージャーが彼の大ファンで、推薦してくれたの。彼は昔、トランジスターというバンドで活動していたことがあって、その時から大ファンだったらしくてね。私はそのバンドの曲を聴いた事がなかったから、、マネージャーの言葉を信じることにしたの。そして、会ってみたら、お互いに音楽の好みが似ていて、ゲイリーは、私のバンドっぽい音作りをしたいという言葉を理解してくれ、アルバム作りに全面的に協力しようと言ってくれたのよ」
ゲイリーとの出会いがアルバムの方向性を少しづつ明確なものになっていった。
ポップ・シンガーではあるけれど、ポップ・アルバムではない、バンド・サウンドのアルバムを作りたいという、ナタリーの希望に沿う音楽を作り上げていった。
※一部国内盤『White Lillies Island』のライナーノーツを参考に記載しています。
「That Day」
1stシングル。
アップッテンポで早口で歌われるメロディが印象的。
バンドサウンドがクールなギターロックテイストな1曲。
「Beauty On The Fire」
3rdシングル。
メロウなミディアム・ナンバー。
「Satelitte」
イントロの音使いから個性的な2曲。
ナタリーのヴォーカルとメロディが可愛らしいアコースティック・ポップ。
「Do You Love?」
エモーショナルで切ないメロディの1曲。
「Wrong Impression」
2ndシングル。
なんといてもイントロ!!そしてコーラス部分(サビ)のキャッチーさ、爽やかさといったら(*^^*)
とても心地良いポップ・ナンバーです!
「Goodbye」
メロディアスで切ないスローナンバー。
「Everything Goes」
シンプル且つ重厚なサウンドのミディアムナンバー。
「Hurricane」
ギターのメロディラインが耳に残るスローナンバー。
「Sunlight」
こちらも「Wrong Impression」に次ぎ、イントロに釘付けになり、心地良いメロディに耳を奪われるような、ポップで哀愁漂う雰囲気が素敵な1曲。
「Shikaiya [for Billy]」
国内盤ボーナストラック。
流れるようなメロディラインがGOODな1曲。
「Talk In Tongues」
アコギメインの哀愁漂うスローナンバー。
「Butterflies」
心地良いメロウなギター・ポップナンバー。
「Come September」
ラスト・トラック。
メランコリックなミディアムナンバー。
1stアルバム『Left of the Middle』では、エレキギターが中心に使われ、とてもカッコ良いサウンドでしたが、2ndの本作は、アコースティックギターが主軸に使われていて、とてもシンプルながら、アレンジはエレクトロニカ系の音も取り入れられていたり、華やかさも感じられるとってもいい案配(*^^*)の作品に仕上がっています!
アコースティック・ポップ&ロック系が好きな方は是非聴いてみて下さいね!