Amiel アミエル 『Audio Out』(2003年)
『Audio Out』(2003年)
オーストラリアのシンガーソングライター、Amiel(アミエル)の1stアルバム。
<プロフィール&バイオグラフィ> ※Wiki・国内盤ライナーノーツを参考に記載しています。
本名:Amiel Muki Daemion
1979年8月13日 ニューヨーク生まれ
ニューヨークでアメリカ人の父とオーストラリア人の母との間に生まれ、2歳の時にオーストラリアへ移住。
音楽好きの両親の元で育ち、9歳で初めて曲を書く。
その曲はテレビのドキュメンタリー番組に触発されて書いた森林破壊に関する曲でした。
2年後、同じくオーストラリア出身の歌手オリビア・ニュートンジョンの元に偶然その曲が渡り、Green Conferenceで歌ってほしいとアメリカへ招待されるが、断ってしまう。
12歳の時に映画『The Silver Brumby』(邦題:伝説の白い馬)出演して俳優のラッセル・クロウと共演。
16歳の時にはデビュー・アルバムのプロデューサーであるジョシュ・エイブラハムズと出会う。
その後、TVドラマにレギュラーとして出演などしながら曲を書いていった。
この頃までには両親の離婚などの家庭事情により14回もの転校を経験。
父も母も共に再婚んして新たな家庭を持ったことから、アミエルは17歳の頃まで、双方の家庭を1週間のうち半分半分行き来するという生活を余儀なくされた。
アミエルは自分の後に生まれた計5人もの義弟や義妹の長女として「両方の家族から愛情をたっぷり注がれたわ」と話している。
1998年にプロデューサーのジョシュのプロジェクトにヴォーカルとして参加し「Addicted To Bass」という曲をレコーディングした。
この曲は海外でもリリースされ、2002年にUKチャート2位や米ビルボードダンスチャート1位を獲得するなど長いヒットとなった。
2003年にデビュー・アルバムとなる『Audio Out』をリリース。
本作『Audio Out』に収録されているのは、アミエルが19歳~22歳という微妙な年頃に書かれた曲ばかり。
シドニーで1人暮らしを始め、伝染性単核症というウィルス性の病気にかかるなど、アルバム制作に加え、私生活でも変化の多い時期でもあった。
「私は音楽で、自分の感情、哀しみ、怒り、恐怖感を語り、しかも自己発見をしていかないとならなかったの」by Amiel
19歳の時に書かれた「Love Song」は、自らの回想録だという。
「私が自分を曝け出すのは、他の人はどうかと思うところから生まれてくるものだったりするの。”Love Song”のような曲では、成り行き任せで行くこともできた、例えそれがベストのチョイスだと思わなくても....。そう思いながら、次はどれだけそういうカップルが存在するかを考える。この世には独りになるのを恐れるがゆえに、不幸なまま一緒にいるカップルがどれだけいるか考えるの。私の中に居るもう一人の私が、他の人の様子と比較することで、自分を見つめるようにしてるんじゃないかと思う。そうすることで、社会や人間性に関するコメントを伝えようとしてるんじゃないかな」by Amiel
「当時、皆を見ていると恋愛に満足しているわけでもなく、ハッピーではないから、自分は絶対に妥協しまいと思っていたの。1999年にシドニーに移って来た頃、私は何かを、誰かを求めていて、そして3回デートした男の人がいたけど、凄くピント外れな感じで、無意味というか時間の無駄だった。そこで生まれた思いが、”上等じゃないの、あれから私が得たものといえばラヴソングだけ。"またしてもF**kin' lovesongのできあがりってわけね”って。ラジオでは"stupid lovesong"に変えられたけどね(笑)」by Amiel
アミエルは、曲の多くは”性格劇”だと語る。
「恐怖の感情だろうと、愛であろうと、自分の言いたいことを言うのを助けるために、物語のストーリーを作り上げているの」by Amiel
「Addicted To Bass」からの旧知の仲であるJosh Abrahams(ジョシュ・エイブラハムズ=映画『ムーラン・ルージュ』のサントラのプロデューサー&アレンジャー)が前面的に参しているのに加え、クリシュ・シャーマ(リズ・フェアー等)、スチュアート・クライトン(アポロ440、カイリー・ミノーグ等)が力を貸し、その他スタッフとしてライアン・フリーランド(エイミー・マン等)やブラッド・ヘーネル(ネリー・ファータド等)も参加して、アミエルの個性的な音作りを支えた。
「All Of Me」「Obsession(I Love You)」の2曲は、アヴリル・ラヴィーンの『LET GO』等を手懸け、一躍売れっ子となった3人組のプロデューサーチーム、The Matrix(ザ・マトリックス)のうちの2人、ローレン・クリスティーとグラハムエドワーズとの共作。
彼らとは共同で作詞はしたものの、サウンドプロダクションまで任せるとそこそこの音に仕上がってしまうのできっぱり断り、アルバム・プロデューサーであるジョシュとアミエルが手懸けたそう。
「マトリックスの2人との作業は歌詞の作業のみで、ストーリー仕立ての甘い歌詞の中のキャラクターに自分が成り得るだろうか、そういうことを考えながら作ったわ。そして音は今風のハードエッジで暗めのプロダクションに仕上げていった。スウィート&ビター、両極端なものを一緒にしたのよ(笑)」by Amiel
ポップ・フォーキー・エレクトロニカ、ヒップホップやブレイク・ビーツなど様々な曲調が混在し、一聴して奇抜なサウンドながら聴きやすい作品となってます!
「Love Song」
軽快なアコースティックギターの音色と、アミエルのキュートなヴォーカルが印象的。
で・す・が、、、”またもやF**kinなラヴソングが一丁上がりよ”と歌詞は少々辛口(^-^;
「Tonight」
ミディアム・ポップ。
「Clair De Lune」
エフェクトがかったヴォーカルとコーラスが印象的な1曲。
「Side By Side」
ダークで奇抜なサウンドが特徴的な1曲。
「Missing The Music」
アミエルがサウンド面で一番自分らしい曲として挙げている曲。
”エレクトリックなのに、ストリングスとピアノが入って、オールド&ニューのフィーリングが最高でタイムレスな曲” by Amiel
「All Of Me」
歌詞はThe Matrixのローレンとグラハムとの共作。
切ない内容の詩になっている、ミディアムバラード調。
「Obsession(I Love You)」
こちらも歌詞がThe Matrixの2人との共作曲。
イントロからのエキセントリックなサウンドが病みつきになる1曲!
「Games We Play」
ソフトなヒップホップテイストも入った個性的な1曲。
「Theme For A One Night Stand」
エレクトロポップ感たっぷりのミディアム・ポップナンバー。
「Final Piece」
フォーキーなアコースティック・ポップ風の1曲。
「Nothing Can Break Me」
ラスト・トラック。
アミエルのヴォーカルが心地よいミディアム・ナンバー。
『Aodio Out』
国内盤には、「Love Song」のUncensord Version(一部歌詞が修正されていないヴァージョン)と、CD Extraで、「Love Song」と「Obsession(I Love You)」のビデオクリップが収録されています。
ガーリーでスウィートなヴォーカルながら、リアルで少し棘のある内容の歌詞&ダークで個性的なサウンドで、一度聴いたら病みつきになってしまう中毒性のあるアルバムに仕上がっています!
Lily Allen(リリー・アレン)系の脱力系ガールズ・ポップ系が好きなリスナーにお勧めです!
【番外編】
アルバムデビュー前に、プロデューサーのジョシュのプロジェクト”Puretone”にヴォーカルとして参加した曲「Addicted To Bass」をご紹介します!
『Audio Out』とはサウンド・曲調も少し違いますね(^^♪
しかしやっぱり奇抜なサウンド・アレンジがとても特徴的です!