Jewel ジュエル 『Goodbye Alice in Wonderland』(2006年)
『Goodbye Alice in Wonderland』(2006年)
アメリカのシンガーソングライター、Jewel(ジュエル)の前作から3年振りとなる5作目のアルバム。
前作『0304』(2003年)では、フォークミュージックにダンス・ミュージックをミックスさせてしまうという大胆不敵(?)なアルバムを発表し、今までのアコースティックなジュエルを期待していたファンを唖然とさせ、賛否両論を巻き起こしました。
さて、あれから3年・・・ジュエルはどんな新境地に辿り着いたのでしょうか・・・。
前作『0304 』では、ジュエルの2003年から2004年で世の中や自身に起こった事をフォークミュージックやダンスミュージック、80年代風のサウンドをミックスさせ、ポップでアッパーなアルバムに仕上がっていましたが、今作『グッバイ・アリス・イン・ワンダーランド』では自叙伝的な内容のデビューアルバム『心のかけら(Pieces Of You)』を作った時と同じような気持ちになって制作したとのこと。
ジュエルは、このアルバムを当初はセルフ・プロデュースという形で、まさしく『心のかけら 』と同じように、アコースティック主体の作品として一度ほぼ完成させていたそうだが、(オーヴァー・プロデュースに対しての反動でもあったとか)その段階で音楽業界の親しい友人に聴かせたところ、「君のやりたいことをちゃんと理解してさらにいい作品にしてくれる人がいるよ」と言われロブ・カヴァロを紹介され、プロデューサーに迎えた。
ロブ・カヴァロ・・・グリーン・デイ、グー・グー・ドールズ、アラニス・モリセット、L7などを手掛けた。2013年には、日本人アーティストとして初めて、氷室京介もプロデュースしている!
アルバムオープニング曲を聴いて....
アコースティックなジュエル、おかえり!!
前作の突き抜けたダンス・ポップ路線も、正直あれはあれで案外好きだったけど、やっぱりジュエルはこっちのほうがしっくりくる。
『Again and Again』
アルバムオープニングトラック。
1曲目からとても良い曲。。。ジュエル、ありがとう。。。
『Goodbye Alice in Wonderland』
アルバムタイトル曲。
たとえ辛い恋であっても、幸せな気分とか、美しいことも味わう事が出来る。だからもう、”逃避するのはやめて、Yellow Brick Rord(おとぎ話の中の道、幻想の道を象徴している)にも別れを告げ、現実を見つめましょう。世の中には大変なこともあるけど、ステキなこともあるのよ”というジュエルからのメッセージ。
「Drive To You」
アップテンポなメロディラインが病みつきになる1曲。
「Stephenville,TX」
ジュエルの自叙伝的な内容の楽曲。
まさにジュエルらしい特徴的な歌いまわしの1曲。
「Long Slow Slide」は聴き覚えがあると思ったら、前々作『ディス・ウェイ 』の国内盤に、ライヴ・ヴァージョンがボーナス・トラックで収録されていました。
「Fragile Heart」は前作『0304』からアレンジを変えて再収録されています。
「Satellite」はジュエルが17歳~18歳の頃に書いた曲。アルバム初登場ですが、YouTubeには96年頃にLiveで歌っている映像もあり、ライヴでは以前から披露されていた曲のようです。
序盤はメロディアスなアコースティックソングから始まり、中盤「Satellite」辺りから、前作『0304』とまではいかないけれど、キャッチーでアップテンポの曲が並び、終盤は初期のジュエルのようなシンプル&ミディアム~スローテンポの楽曲になっています。
ラストトラック「1000 Miles Away」もジュエルが17歳~18歳の頃書いた曲で、ジュエルの真骨頂であるギター1本の弾き語りスタイル。
フォーク、ポップスのバランスとしては、『グッバイ・アリス・イン・ワンダーランド』はロック色はだいぶ薄れていますが、アルバム『ディス・ウェイ』に近い気がします。
「Long Slow Slide」「Last Dance Rodeo」「Stephenville, TX」「1000 Miles Away」は、デビュー・アルバム『心のかけら』を彷彿とさせる素晴らしい出来なので、前作『0304』でジュエルから離れてしまったファンにも自信をもってお勧めできるアルバムに仕上がっています!!